「チームビルディングってどんな取り組み?」「効果的なアクティビティがあれば教えて欲しい」などと考えていませんか。目標を達成するため、興味をもっている方は多いでしょう。
チームビルディングは、チームの生産性を高める手段です。屋内、屋外のさまざまなアクティビティが活用されています。ここでは、チームビルディングの概要、目的、メリットを解説するとともにチームビルディングに活用できるアクティビティを紹介しています。
チームづくりでお困りの方は参考にしてください。
チームビルディングとは
チームビルディングは、組織をつくる手段のひとつです。具体的には、チームメンバーの能力などを引き出し、チーム全体の生産性を高める取り組みを指します。チームが目標を達成するため、欠かせない取り組みといえるでしょう。
混同しやすい概念として、チームワークがあげられます。チームワークは、目標を達成するために協力し合うなどの意識や行動を指します。これに対して、チームビルディングは組織をつくる手段のひとつです。つまり、チームワークはチームビルディングで求められる要素のひとつと考えられます。
チームビルディングを行う目的
一般的に、チームビルディングは次の目的などで行われます。
組織のビジョンやチームの目標を浸透させる
生産性の向上に欠かせないのが、ビジョンや目標の共有です。メンバーそれぞれの能力が優れていても、別々のビジョンを描いていると、チームの目標を効率よく達成できません。そこで活用されているのがチームビルディングです。
アクティビティを通して、ビジョンや目標の共有が図られています。これらの共有には、一体感を醸成する効果も期待できます。チームを立ち上げる際に、取り組まれるケースが少なくありません。
仕事のモチベーションを上げる
チームビルディングは、メンバーのモチベーションを高める目的でも行われています。すべてのメンバーが、高いモチベーションを常に保っているとはいえないためです。
何かしらの理由でやる気を失っているメンバーがいるかもしれません。達成感を味わいやすいアクティビティに取り組むことで、仕事に対する意欲や自己効力感を高められる可能性があります。
したがって、モチベーションアップにチームビルディングが用いられているのです。
心理的安全性を向上させる
心理的安全性は、チームの中で自分の考えや気持ちを自由に表現できる状態です。心理的安全性が高いと、チームの生産性や個人のパフォーマンスは向上する傾向があります。
さまざまな意見を引き出せたり、個人が安心して働けたりするためです。チームビルディングには、チーム内の心理的安全性を高める効果も期待できます。
アクティビティを通して、メンバーが自分らしく振る舞える機会をつくれたり、偏りなく発現できる環境を作れたりするためです。
マインドセットを形成させる
マインドセットの形成も、チームビルディングの目的のひとつです。ここでいうマインドセットは、チーム内で確立された考え方といえるでしょう。
チームの目標を効率よく達成するため、メンバー共通の考え方が求められます。同じ考え方を身につけると、足並みが揃うためです。アクティビティを通して、メンバー共通のマインドセット形成が図られています。
チームビルディング研修について詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。 関連記事:チームビルディング研修とは?目的やポイントを解説
チームビルディングのメリット
チームビルディングには、以下のメリットなどを期待できます。
メリット①コミュニケーションが円滑になる
チームビルディングに取り組むと、メンバー間のコミュニケーションが円滑になります。アクティビティに取り組み、課題を達成する中で、話し合いなどを重ねるためです。
メンバー間の信頼関係も構築できるケースが多いでしょう。どのようなプロジェクトであれ、目標達成にコミュニケーションは欠かせません。報告・連絡・相談がスムーズに行えるようになる、メンバー間の協働が促進されるなどの効果を期待できます。
メリット②参加者が主体的になる
一般的に、メンバーの主体性も醸成できると考えられています。アクティビティを通して、チーム内における自身の役割を把握できたり、安心して行動できるようになったりするためです。
チームで目標を達成するため、リーダー以外も主体的に行動することが求められます。誰か1人が頑張ればよいわけではありません。すべての参加者が主体的に行動できる環境を作れる点もチームビルディングの魅力です。
メリット③アイディアの創造につながる
新しいアイディアが生まれやすくなる点もポイントです。たとえば、直面していた問題の解決策を思いつく、独創的なビジネスモデルを考案するなどが考えられます。
アイディアが次々と生まれる理由は、参加するメンバーがそれぞれの専門性を活かしながら、自由に発言したり行動したりできるようになるためです。メンバー間の交流から革新的なアイディアが誕生する可能性があります。この点もチームビルディングに取り組むメリットです。
メリット④学んだ内容が記憶に残りやすい
チームビルディングのアクティビティで学んだ内容は、記憶に残りやすいと考えられています。頭と体を使いながら学ぶためです。座学とは異なる学びを得られます。
実体験から学びを得るため、習得した知識を実務に生かしやすい点もポイントです。同様の理由で、失敗への対応力も磨けます。実務で生かしやすい能力を伸ばせる可能性があります。
メリット⑤チーム力の向上につながる
チームビルディングでは、チーム力の向上も目指せます。メンバーが主体的になったり、メンバー間のコミュニケーションが円滑になったりするためです。
新しいアイディアが生まれやすくなる点や実務に生かせる学びを得られる点もポイントです。これらの結果、チーム力が高まります。チームビルディングは、メリットの多い取り組みです。
【室内】チームビルディングにおすすめのアクティビティ7選
チームビルディングのアクティビティは、屋内で取り組むものと屋外で取り組むものにわかれます。ここでは、屋外で取り組むアクティビティ7選を紹介します。
チームビルディングカーリング
カーリングは4人で構成される2つのチームが、氷上の円(ハウス)に向かって石(ストーン)を投げ入れて得点を競うスポーツです。メンバーそれぞれに役割が与えられるうえ、高い戦略性を求められるため、チームビルディングのアクティビティに向いています。
カーリングなら軽井沢アイスパークで開催されている「チームビルディングカーリング」を活用するとよいでしょう(法人・団体が対象)。カーリングのゲームを重視し順位付けが出来るようにしているため、楽しく盛り上がること間違いなしです。仲間と心を合わせて行う動作が多く、楽しく存分に体を動かしながら、コミュニケーションの活性も図ります。
謎解き脱出ゲーム
チームで協力して謎を解き、閉じ込められた空間から制限時間内に脱出を図るゲームです。さまざまな謎を解く必要があるため、メンバー間の協力が求められます。アクティビティを通して、コミュニケーションを促進したり、役割を分担できたりするでしょう。
遊びながらチームビルディングに取り組めます。特別な施設、設備を必要としない点もポイントです。「謎」を鍵とするため、アイディア次第では社内の会議室などでも行えます。取り組みやすいアクティビティといえるかもしれません。
NASAゲーム
NASAが開発したコンセンサスゲームです。具体的には、メンバーそれぞれが、与えられた環境のもと、持ち物に優先順位を付けます。その後、チームで話し合って、チームとしての優先順位を決定します。多数決ではなく、話し合いを重ねて優先順位を決定する点がポイントです。
優先順位が決まったら、模範解答と比較して誤差を算出します。NASAゲームの特徴は、振り返りで「自分の意見をメンバーに伝えられたか」「メンバーの意見を尊重できたか」「メンバー全員が納得できる答えを導きだせたか」などを重視する点です。
コミュニケーションの促進や心理的安全性の向上などにつなげられます。
レゴ®シリアスプレイ®
レゴ®が開発した新しい学びを得るためのツールです。参加者は、ファシリテーターと会話を重ねながら課題を掘り下げて、レゴ®パーツで風景モデルを組み立てます。これを用いてグループ内で対話を行う点がポイントです。具体的には、作品の背景を語ったり、メンバーからの質問に答えたりします。対話を通して、メンバーに対する理解を深めたり、メンバー間の絆を深めたりできるでしょう。レゴ®シリアスプレイ®では、作品を触媒として、さまざまな気づきを促せます。コミュニケーションの促進、問題解決力の向上などを目指せます。
コンセンサスゲーム
与えられた課題について、チームで話し合いを重ねて、合意形成を図るゲームです。一例として、NASAゲームがあげられます。具体的には、以下の流れで進めます。
【流れ】
チームをつくる
課題を設定する
2について個人で考える
個人の考えをもとにチームで合意形成を図る
チームの意見を発表する
振り返りを行う
主なメリットは、自分の意見をわかりやすく説明する力、相手の意見を受け入れる力などを養えることです。もちろん、チーム間のコミュニケーション促進も図れます。他者の意見を否定しないなどのルールを設けておくことが大切です。
口パク伝言ゲーム
声を使わずにキーワードを伝えて、最後に発表するアクティビティです。伝達方法は、口パクのみ、口パクとジェスチャーなどが考えられます。誰でも気軽に取り組める点が魅力です。口パク伝言ゲームの難易度は、参加人数が多くなるほど高くなります。1チーム5人程度を目安にするとよいでしょう。正解を目的とするわけではないため、制限時間を設けておくことも大切です。制限時間を短くすることで、伝えようとする力と理解しようとする力を引きだせます。また、コミュニケーションも促せるでしょう。
ブレインストーミング
チームのメンバーで、議題に関するアイディアを自由に出し合う取り組みです。基本的には、以下のルールに従います。
【ルール】
メンバーの意見を批判しない
自由にアイディアをだす
質より量を意識する
メンバーの意見を活用する
チーム内のコミュニケーションとアイディアの共有を促せます。メンバー間の相互理解が深まり、よりよい人間関係を構築できるでしょう。メンバーの意見を活用することで、チームの創造性が高まる点もポイントです。効果的なチームビルディングの手法になりえます。
【屋外】チームビルディングにおすすめのアクティビティ7選
続いて、屋外で取り組むアクティビティを紹介します。
防災運動会
競技・種目に防災の要素を組み込んだ運動会です。競技・種目の例として、物干し竿や毛布など身近なアイテムを使用して傷病人をゴールへ運ぶ「簡易担架リレー」、メンバーの連携がカギを握る「バケツリレー」があげられます。防災知識を学びながら、メンバーの相互理解を深めて、団結力を高められる点が魅力です。また、コミュニケーションを促進するきっかけにもなります。
無人島合宿
無人島で数日を過ごすアクティビティです。原則として、島内では電化製品などの使用を禁止されます。火すら自分たちで起こさなければなりません。過酷な環境で、協力しながら生き抜くことを求められます。したがって、主体性、協調性、創造力などを養えます。
メンバーと苦楽を共にすることで絆も深まるでしょう。チームの在り方を大きく変えられる可能性があるアクティビティです。
チャンバラ合戦
スポンジ製の刀で相手が身につけている球(命)を落とすアクティビティです。基本的には、2軍以上にわかれて、相手を多く倒したチームが勝利します(ルールにより異なります)。
ポイントは、1つの戦いの中で、軍議と合戦を繰り返すことです。戦況を見ながら、チームで戦略を立案・実行することが求められます。したがって、チームビルディングに役立つアクティビティと考えられています。共通の目的のもと体と動かしつつ、チームのメンバーと関係性を構築できる点も魅力です。
BBQ
BBQもチームビルディングに活用できるアクティビティです。会場の手配、食材の準備、料理などで、メンバー間の相互理解を深められます。担当者にかかる負担が大きいときは、機材、会場、食材の手配を外注することも可能です。
この場合は、料理コンテストなどのイベントを開催して、メンバー間のコミュニケーションを促すとよいでしょう。誰でも気軽に参加できる環境にしておくことも大切です。
バブルサッカー
ノルウェーで誕生した新しいスポーツです。バブルボールと呼ばれる風船のようなものを身につけて押し合いながらサッカーをします。1チームの人数は5人または4人(うち1名はキーパー)、試合時間は5分ハーフの計10分または7分1本です。
バブルボールを着用するため、体育館などで行えるうえ、誰でも気軽に取り組めます。楽しみながらコミュニケーションを促進できるアクティビティです。
サバイバルゲーム
ルールに基づき、エアガンを用いて撃ち合うアクティビティです。フィールド内の拠点を取り合う、相手をせん滅するなど、さまざまなルールがあります。戦略の立案ならびに実行を求められるため、チームビルディングに効果的と考えられています。
具体的には、リーダーシップ、主体性、協調性などを養えるでしょう。メンバーそれぞれの考え方に気づけたり、連帯感を味わえたりする点もポイントです。
フォレストアドベンチャー
樹木や地形を生かした自然共生型アウトドアパークです。専用のハーネスを装着して、森のなかの空中を移動します。フォレストアドベンチャーは、自然の中でさまざまな課題に取り組むチームビルディング用の研修プログラムを用意しています。
相互理解を深めてチームワークを向上する、多角的考察力を養う、モチベーションを高めるなどの効果を期待できる点が特徴です。
自社に合ったアクティビティでチームビルディングを
ここでは、チームビルディングに活用できるアクティビティを紹介しました。チームビルディングは、チーム全体のパフォーマンスを高める組織づくりの手法です。コミュニケーションが円滑になる、主体性を養えるなどのメリットがあります。
チームビルディングに活用できるアクティビティは屋内で行うものと野外で行うものにわかれます。前者の例としてチームビルディングカーリング、後者の例として防災運動会があげられます。この記事を参考に、自社に合っているアクティビティを探してみてはいかがでしょうか。